2019年3月29日
追記:その後 Radeon VII に換装しました。
CPUの換装や5Kディスプレイの運用と延命処置を施してきた我が家のMacPro。
GTX1080 + NVidia Web Driverでの運用を続けてきたのですが、5Kディスプレイで使っていると画面の左半分のマウスカーソルが化けるバグも公式では改善されず、動画編集でも結構不便してました。(バレ消しでスタンプツール使う時など左半分は地獄。。)
一番悩んでいたのが、現在主に撮影マシンで使用しているGH5/GH5Sの ALL-Intra圧縮400Mbpsファイルや、Z CAM E2のH265 300Mbpsファイルのハードウェアデコードが対応しておらず今後もNVidiaのドライバでは対応しそうもなかった事。(MacPro2009改/2010/2012の6core XEONはCPUでのハードウェアデコードは対応していないのでGPUでアクセラレーションが無ければソフトウェアデコードのみとなって4Kサイズだとカクカクしてしまいます。今まではわざわざ一度Proresにして作業してました。)
そしてAppleとNVidiaの確執なのかMojave用のWebDriverはリリース無く既に半年が経過。
だいぶ我慢してきたけど流石に今回は解決の時期が見えない。
という事でAMDに移行をする事を決意。この記事を書いている2019年3月現在、Mojaveに正式対応するAMDのGPUではRadeon VEGA64シリーズがコンシューマーモデルでは最強の部類になります。
一般的にはMacProにはRX580がいいだのVEGAなら56だろとか保守的な意見が主流だと思いますが、男だったら常に最強だろ♪と思っちゃうしエンコードはとにかくパワーが勝負。
AppleのMacProのMojaveへのアップデート案内ページに対応GPUの記載があるのですが、その中でAMD Radeon Frontier Editionという機種が目に留まります。基本スペックはVEGA64同様ですが、iMacProにも負けないグラフィックメモリ16GB。これなら6K、8Kもどんとこい。スペックおたくの自分にはたまらない機種。
しかもeBayで検索すると国内でVEGA64買うのと変わらない位の金額で買えちゃうじゃないですか。(自分は送料別$370でオファー受けてもらいました。また一応自覚して欲しいのは、このGPU間違い無く中古はマイニングなりディープラーニングなり計算用途で使われた事を覚悟しましょう。)
そしてこのGPUをMacProで使う場合、電源の問題があります。
残念ながらマザーボード上の補助電源からでは電力が賄えず、恐らく高解像度のエンコードなどでフル負荷がかかれば間違い無く落ちると思います。
そこで前々からやろうと思っていたPIXLAS MODを実行。早い話、電源ユニットとマザーボードの間からエレクトリカルタップで電源取っちゃいましょうって話です。
必要なものはエレクトリカルタップと今回はシルバーストーンのPP06B-2PCIE70を流用(コネクタ加工します。ケーブルの長さはちょっとギリギリかな…)
作業上注意する点は電源ケーブル側は必ずワイヤーストリッパーのついている電工ペンチなどを使って皮膜をむいておく事です。電源タップで無理に潰すと中の電線が間違い無く一部切れます。コネクター側も普通の電工ペンチではなく圧着工具が必要です。(電工ペンチでも無理矢理潰せば使えない事は無いと思いますが、電源周りなのできちんと作業しましょう。)
電源外す際についでなので全バラしして埃も除去。さっそくHighSierra環境で立ち上げるも4Kまでは問題なさそうですが、5Kにすると画面がスプリットになったり…
ただ今回はMojaveでの使用が目的なのでさくさくっとMojaveにアップグレードしてジャジャーン。
まぁ、何もしなくても認識してます。EFIには非対応なのでブート時の林檎画面は拝めませんが、5Kディスプレイも特に何もせずに認識。
NVidia WebDriverで使っていた時には最初の起動時には電源を入れ直さないと5Kにならなかったのですが、VegaFEであればたまにスプリット画面になった時は電源入れ直し(またはケーブル挿し直し)になりますが、それ以外は問題無し。
画面のスリープ・復帰共に問題無くいい感じです。
VEGA64カードを導入するとファンの回転数がおかしくなるという問題もありAMD10000Controller.kextファイルの改変をしないといけないかなと少し気が重かったのですが、MacProとMojave、AMD FEの組み合わせで使う限りは特に問題は無さそうです。まさにポン付。。
フレームバッファの深度も特に何もせずとも30ビットカラーで出力されています。もうかなり満足だったりして…♪
そして一番嬉しかったのが、GH5/GH5Sの ALL-Intra圧縮400Mbpsファイルや、Z CAM E2のH265 300MbpsファイルがGPUによるハードウェアデコード対応になって編集画面が快適になった事。ハードウェアデコード対応ではないもののGTX1080と比べると再生でのもたつきが6K HEVCを除き改善されました。(H265/HEVCファイルを編集する場合にシーンを飛ばす感じの編集でリアルタイムでついてきません。ただ編集中の再生やコマ送りなどはほぼ問題無くなりました。GH5系のALL-Intra圧縮400Mbpsファイルは完全に問題無くなりました。)
今まで我慢してGTX1080使ってたのがアホらしくなる位です。
とはいいつつマイナス点も。。UPSのワットモニターのランプで見る限りエンコード時の電力は間違い無くGTX1080の頃より増大してます。
そして実際のエンコード時間もCUDAを使ったGTX1080と比べて80%程度の体感速度かな〜という感覚です。
このGPUは外排気タイプですが間違い無くファンヒーター感が増大しています。真夏はかなりヤバい感じ。。
個人的にはそれを差し引いても今回のGPU換装はやって良かったと思ってます。編集作業がとにかく捗る… 将来的にMojave用のNVidiaドライバがリリースされたとすれば、RTX2080Tiも使ってみたい所ですが現時点ではAMDへのチェンジを皆様にもお勧めします。
ただ電気喰うので必ず予備電源はいつでも使えるように用意しておく事をお勧めします。
番外編…
一応ベンチマークの数値なんぞ貼ってみたりする。
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こんにちは
まだ現役で使っていらっしゃって心強いです。
CPU換装についてお聞きしたい事があります、それぞれ使用目的は違うと思いますがCPUの温度は何度くらいになっていますでしょうか?
XeonX5690にアップしたらCPU温度が90度を超え熱暴走を起こしそうだとゆう動画を見ました、対策として追加のヒートシンクを貼り付けて対応されていました。
一気にX5690まで上げるか95WのX5675で我慢するか迷っています、3D、Movieの書き出しに使います。アドバイスをお願いします。
当方の制作環境の変化からどうしても新しい環境に移行する必要があり、既にMacProは制作マシンとしては現役を退いております😅 申し訳ない。。
事務機になっているMacProでOpenCLのベンチマークをCPUで試してみたんですが、この時期という事もあり熱い方のCPUでも70度以下でした。流石に90度ってのは何か別の問題があるような気がします。(2009モデルの2CPU殻割り換装などきちんとコアがヒートシンクに密着出来ているかも重要になります。)
2CPUモデルではCPUとCPUの間位にプラスチックのピンで止まっているヒートシンクがあるのですが、これが破損しやすく当方はタッピングでネジ穴をヒートシンク側に切り、基板をトレーから外して裏側からネジでガッチリ止めてしまいました。
1CPUであれば一気にX5690まで上げてしまう方が良いと思います。2CPUの場合は将来的にGPU側にある程度電力を回したいなどの場合に電源ユニットの今後の寿命など考えてどうするかといった所だと思います。ご使用のソフトやOSのバージョンにもよりますがソフト側でGPUレンダリングに対応している場合はGPU換装の方が効果は感じられると思います。
OS側の問題なのかソフト側の最適化が進んでいないからなのか、実際にはCPUをどんなに高性能化しても一部ベンチマークを除きこれを「使い切れる」アプリは正直、見た事がありません。(結局は処理におけるディスクスピードなどで脚が引っ張られる事もあり、純粋にCPU換装のみでは余り劇的な効果は得られません。)
GPU換装はソフトが対応していればかなり効果があります。ただ電源の問題もありこの記事で紹介しているPIXLAS MODは必須と思います。この作業を行えばRadeon VIIでもうちの環境では問題無く使えました。
ファームウェアの更新でブートでも使えるようになったNVMeのSSDはAppleの嫌がらせ?と思う位、実運用でスピードが出ません。ベンチマークでもシーケンシャルのスピードは出ているんですが、ランダムアクセス(実使用に近い感覚)になると極端に遅くなります。実際に現行のMacで同様のドライブを使用すると全然体感速度が違います。。
(当方でもこれが原因でMacProからの移行となりました。)
脱線しましたが、参考になれば嬉しいです。